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私は「しまった」と思っていた。

とんでもない電波男を私は助けたのだろうか。

 

私はつかんでいた手を話した。

 

「あ、家は今朝まであったんですけど、燃やされちゃいました」

男子学生―電波男は淡々とそう言った。

 

「父さんの会社が倒産してとんでもないことになったみたいで、お祖父ちゃんとお祖母ちゃん、母さんと弟二人と一緒に家燃やしちゃったんですよ」

内容があまりに悲惨に感じた私は、もはやそれが真実として受け止められなかった。

 

「まあもともと家族の中ものすごく悪かったんで、父さんがやらなくても誰かがいつかやったんじゃないかなって思ってますよ。

因みに僕が生きているのは夜中に友達の家にこっそり遊びに行ってたからです」

 

電波男は少し笑いながらそう言った。

 

「いや……笑えないし、笑うところじゃなくない?」

やっと私が電波男に言った言葉がそれだった。

 

電波男は少し考えて言った。

 

「まぁ、だからさっき死のうとしてたんですけどね」

 

私はぞっとした。

 

この電波男、私をからかって死ぬつもりないのに飛びこむ降りでもしたんじゃないかと思ってしまっていたが、あれは本当に自殺するつもりだったのだ。

 

私は早々会話をやめて関わらないようにしたくなってきていた。

 

「この電車にのったら帰れないって言ってたよね。次の駅で降りて反対側の電車乗れば戻れるよ」

私が早口で言うと電波男は少し考えて、

「あれ実は貴方を困らせたくて言ったんですよ」

と言った。

 

やっぱり、この男私をからかってんじゃないだろうか。

 

「まさかさっきの家族の話も……」

私がおそるおそる尋ねると

「僕一人っ子だし……父さんも母さんも八百屋やってるし」

と、電波男が言った。

 

やっぱりこの男私をからかってるのかと、改めて理解するとなんだか私は電波男にいらつきを感じた。

 

「あんた、私をどこまで馬鹿にすんのよ」

 

「さぁ、あなたが見たことは真実だと思いますよ」

 

電波男は少し表情を曇らせてから言った。

 

「少なくとも、今日僕が死にたいと思ったから、どうせなら大好きな電車に轢かれて死のうって考えていたことは、事実ですよ」

 

これも私をからかっているんだろうなと私は考えた。

 

「僕、西石井工業高校1年の、クミヤマ。久御山辰夫」

 

いきなり自己紹介を始められた事に対し、私は新手のナンパなのかを疑った。

 

「君の名前は?」

 

「く……黒山久美」

 

「くーちゃんか。その格好は西石井中央高校の制服だね。何年生?」

 

「1年生だけど……」

 

この電波男、久御山辰夫の顔があまりに童顔だったので制服が西石井工業のものであることをすっかり見落としていた。

 

とても同い年とは思えない。

 

しかもいきなりくーちゃんと呼ぶとは、どれだけ図々しい奴なんだろう。

 

 

私が降りる駅に到着した時、久御山が急に腕をつかんだ。

まだこの男は私をからかうのかと思っていると、

「ありがとう」と、久御山が言った。

 

久御山はそう私に言うと私の手を放した。

 

私は驚いてそのまま電車から駆け降りてしまった。

 

後ろを見ると久御山が笑顔で私を見ていた。

 

なんだろう……こいつ可愛いじゃん。

 

私はそう感じていた。

 

 

 

続く





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