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彼女③-エピローグ-

 

微かな記憶を探り、見つけられる答えは一つだった。

私がまだ物心ついて間もない頃、彼女は確かに存在していた。

彼女と遊ぶことが当時の私の日課であり、まるで見えない糸で繋がっているかのように彼女と私は共に過ごしていた。
 そんな彼女と離れ離れにならなければいけなくなったのは、私の父が経営していた会社が倒産し、当時住んでいた家を出て行かなければならなくなったからである。

私は彼女とお別れする時、涙を流した。

彼女も涙を流していた。

それまではどんなに痛い思いをしても、彼女は涙一つ流さず私に微笑みかけてくれていた。そんな彼女が、初めて私の前で涙を流したのだ。


 あの頃の事を思い出すと、まるで夢でも見ていたように感じる。

父の会社が倒産する前の裕福な家庭が夢であったように見えるだけではない。

私にとっては彼女の不思議な力が、夢であったように思えるのだ。
 今私は大人の女性となり、裕福な男性と結婚して、幸せな家庭の中で生きている。

子供もいて何不自由ない誰もが憧れる家庭。

しかし私はどうしても彼女の事が気になってどうしようもならなくなる時がある。

彼女が私を怨んでいるように思えてならないのだ。

彼女との別れの日、私が何をしたのか私は少しだけ覚えている。哀しみの色をした彼女の瞳に、怒りが満ちて行くのが幼い私にもよく分かった。
だからこそ、私は当時住んでいたあの町に、今帰ってきたのだ。

私の過ごした家は何度か人が移り変わり、今は老夫婦が暮らしているという。

 

私はあの町に行く前に、その老夫婦に電話をかけた。

電話に出たのは落ち着きのある夫人の声であった。私は思い切って夫人に尋ねた。

彼女はまだいるのかと。

夫人は数秒黙り「ええ」と頷いた。

私は心臓が早く動くのを感じた。


彼女を見つけても、私は何をするべきなのか分からない。

ただ、行かなくてはならないように私は感じる。

 

彼女はまだ子供部屋の鏡の前にある棚の上に座っている。

幼い頃、彼女の正面にある鏡の中は彼女の部屋なんだと私は妄想していた。

そしてそれを彼女に教えていたが、そのことを彼女はどう考えているのだろう。

彼女は私に嫉妬していただろうか。怒っていただろうか。

今、彼女は何を思っているのだろう。いや、彼女は……。

 

終わり





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